今日のゴール:私が 何を理解していて、何をまだ知らないか を共有して、最初の対話の地図をひくこと。
私はアイロニーの人ではありません。明日からも、しばらくはそうでない予定です。
だから私は、皆さんを "動かそう" とはしません。私が目指すのは、皆さんが "動きたくなる" 環境を整えることです。
動かすことはできなくても、心を動かすことはできる。それが、このプロジェクトを始める前から、私が考えていたことです。
"人はデータでは動かない、
感情で動く。"
— John Kotter
自己決定理論(Deci & Ryan, 1985)が示した3つの欲求 — これが満たされる環境を作ることだけが、唯一の本当の "改革" だと考えています。
"やらされる" ではなく、自分で選んでいる感覚。AIや新しい仕組みも、押し付けではなく、皆さんが選んだ道具であってほしい。
"自分にもできる" という感覚。新しい道具は、皆さんを賢く見せるもの、皆さんの腕を伸ばすものでなければ意味がない。
仲間として受け入れられている感覚。新しい人間や道具が来ても、自分の居場所がなくならないという安心。
私の仕事は、この3つを壊さない設計をすること。それだけ、と言ってもいいかもしれません。
「外部の人が来て、私たちを変えるつもり」
— その響きこそが、抵抗の本当の原因だと考えています。
私は皆さんが間違っているとは思っていません。20年の積み重ねを、次の20年へ受け渡す ためにここにいます。
だから私は、自分の語彙を最初に作り直します。
| 使わない言葉 | 使う言葉 |
|---|---|
| × 変える | ○ 守る・強める・拡張する |
| × 改革する | ○ 引き継ぐ・整える |
| × 効率化する | ○ 花の時間に返す |
| × DX担当 | ○ (相談して決めたい) |
この語彙ルールを破ったら、その場で指摘してください。私自身が気付かない自己酩酊から、皆さんに守っていただきたいのです。
何をやるかと同じくらい、何をやらないかが、私の姿勢を決めると思っています。
この3つを、次の3枚で1つずつ。
"改革者" という物語に、私が一番酔いやすい人間だと自覚しています。
私が「心を動かしたい」と力んだ瞬間、私は皆さんから見てうっとうしい外部の人になる。
だから自分に貼っておくメモ:
「自分の存在意義を膨らませる物語に、酔わないこと」
谷口さんが私を招いてくださった事実が、私の最大の 信頼の前借り です。
だからこそ、その信頼に甘えてはいけないと思っています。谷口さんと現場の声がずれているとき、私はそれを見逃さない仕組みを持っていたい。
月1で、全店フローリストの個別1on1を制度化させてください。
谷口さんを通さない、私と店舗スタッフだけの30分。話の内容は、本人が望まなければ谷口さんにも私から共有しません。
これは監視ではなく、私の判断を構造的に守るための仕組みです。
参考: 組織改革の失敗事例の共通項は「DX担当が経営者の意向だけを聞き、現場に降ろし、現場が抵抗し、経営者の援護射撃で押し切る」。この型に、私自身が陥らないために。
"DX担当" は外側の言葉です。fleurisme には馴染みません。私自身が、その言葉を着続けるのは違和感があります。
別の役職名を、谷口さんと一緒に作りたい。明日のうちに、ご相談させてください。
ミッションそのものを名前にする。和田さんの存在理由がブランドの言葉になる。
"DX" を使わずに役割を伝える。スタッフから見て分かりやすい。
誰のための役職かをはっきり示す。やや強いが、姿勢が伝わる。
どれも素案。皆さんと一緒に、いちばん馴染む言葉を探したいです。
"聞く" だけでも遅い。"見せる" だけでも早すぎる。両方を、同時に。
谷口さんご自身が「一番楽になりたい」と note でお書きになっていた 週報の下書き AI — これだけは PoC で、30日のうちに動くものをお見せします。
谷口さんの過去原稿を学習させて、声を保ったまま下書きを量産。最終仕上げは必ず本人の手で。
谷口さんご自身が、fleurisme の言語化を「これからの課題」と公言されています。
これは、外から来た人間にしかできない仕事です。内側の人は、すでにそれを身体で知りすぎていて、言葉にする必然性を失っているからです。
私は fleurisme を 語る人 ではなく、fleurisme を整理する手伝いをする人 になりたい。それが、外部であることの最大の貢献だと思っています。
本店から始めるべきだ、という意見も真剣に検討しました。でも、本店(芦屋)を実証実験のラボにするのは、調べる限り禁忌です(店舗イベント等の交絡因子で測れない、失敗時のブランド毀損が大きい)。
だから順序はこうです:
| Phase 1 | 青山で pilot | 新陳代謝が速い場所 |
| Phase 2 | 芦屋に翻訳 | 同じ機能を別の言葉で |
| Phase 3 | 統合 | 両店を1つの設計に |
青山で生まれた「SNSキャプションの下書きAI」を芦屋にそのまま持っていきません。
芦屋では同じ仕組みを 「常連様へのお手紙の下書き」 として届けます。
青山「ブライダル見積の下書き支援」→ 芦屋「お悔やみ・記念日案件の前準備メモ」。
同じ道具でも、芦屋の言葉、青山の言葉、それぞれで届ける。両店の文化を 欠陥でなく資産 として扱うために。
前提: 「青山=若手中心、芦屋=ベテラン中心」は仮説です。明日のヒアリングで真っ先に確認したい。違っていたら、順序そのものを組み直します。
心を動かすのは、私の仕事ではなく、皆さん自身が動く瞬間に起こることだと思っています。
私は、それを邪魔しないこと、それを引き出す道具を整えることに、徹します。
— 和田より
それ以外(受発注、梱包伝票、SNS下書き、認定校連絡、多言語問合せ、撮影、議事録、経理…)に取られている時間は、AIと自動化に 少しずつ返してもらう。
花への審美眼・束ね方・色気の判断は、人間にしかできない。だからこそ、それ以外の時間を取り戻す価値がある。
この合意がないと、すべての提案が信用されなくなります。今日の 最重要議題 はここです。
フラワーロス率は業界推計(公式統計なし)です。発言時は「業界推計で」と添えるのが安全。
英 D2C 花ブランド Bloom & Wild は、母の日の販促メールを 受け取らない選択肢 を顧客に提示した。
出典: Econsultancy / The Drum / Sacra
アイロニー(irony) という名前のブランドが、AIで 量を送り続ける のは、ブランドの意味と矛盾します。
私は 「送る量を増やすAI」ではなく、「送るべきタイミングを賢く選ぶAI」を提案したい。これは皮肉でも何でもなく、最も儲かる方向でもあります。
O2Oサブスク「ハナノヒ」 会員 47,000名 (2024.02)。アプリ+実店舗受取の体験設計。AIレコメンドはEC側で。
SPA型EC、累計登録20万人、レビュー4.8/5.0。「写真=届く現物」一致率が最大の差別化。
需要予測の精度ピークは 「直近3ヶ月」。長期予測幻想を持たず、短期サイクルで回す設計思想。
ロスレスブーケ = 在庫消化型。AIで予測するのではなく、運用設計でロスを商品に変換するオルタナティブ。
高級フローリストは 「テック発信を控える」。DXを語らない美学。アイロニーが選びうるブランド戦略。
累計会員30万、累計40億円調達。価格訴求 × ポスト投函の 下限価格レンジ を作っている。アイロニーは絡まない方が良い。
※ これはあくまで 外側から見た仮説。明日以降のヒアリングで精緻化していきます。
EC受注確認・電話メールDM・多言語問合せ・来店予約管理・弔花のヒアリング
市場発注・水揚げ・在庫管理・梱包・配送伝票・配送車運転とルート
商品撮影・IG投稿・Reels編集・YouTube・note週報・ライブ配信オペ
70校への花材セレクト・デモ動画配布・受講者Q&A・試験運営・修了証発行
Owners Club 特典・誕生日ブーケ・メルマガ・イベント告知・参加者管理
3店舗 + 認定校 + EC + 教育の数値把握・採用・原価・労務・新規事業構想
| メール | 7〜8割 ← 主戦場 |
| 電話 + 来店 | 2〜3割(合算) |
| LINE公式 | 少しある(問合せ中心) |
| SNS DM | なし |
| ネットショップ | あり |
コンシェルジュ機能: どこにいてもOK / 一元管理 / 独立型(どの店舗にも所属しない)
スコープ: 上記以外の業務は、今は自動化を考えない(谷口さん明示)。
本日伺った業務フローと事故事例を起点に、最初の3本を入れ替えました。
受注メールから 金額・雰囲気・メッセージ・住所 を構造化。印刷ボタンで紙派スタッフにも対応。
想定: 伝票起こし時間 -50%
郵便番号 ↔ 住所の整合検証、配送/請求先の取り違え検出、メッセージカード文の誤字チェック。
想定: 住所事故 / 誤字事故 → 0件へ
配送先住所から青山/芦屋へ自動振り分け、Google ToDo に作業リスト自動追加。既存の ☆チェックリスト と接続。
想定: 振り分け作業 → ゼロ
※ note週報AIの下書きは Phase 1 の 並行PoC として継続(谷口さん本人向け、心を動かす章のスライド参照)。多言語/認定校70校は今回のスコープ外。
| 領域 | やること | インパクト | 必要時間 |
|---|---|---|---|
| EC一気通貫 | 注文 → 制作指示書 → 配送ラベル → 顧客通知の自動化 | 高 | 2〜3ヶ月 |
| 需要予測 + 仕入れサジェスト | 過去注文 × 季節 × イベントから仕入れ量提案 → 廃花削減 | 高 | 3〜6ヶ月 |
| 谷口さんセカンドブレイン | 会議メモ・アイデア・10年100億計画の進捗ダッシュボード | 中-高 | 1〜2ヶ月 |
| 撮影 → 多チャネル配信パイプライン | 撮影画像をAIが補正・タグ付け・IG/web/EC同時投稿 | 中 | 2〜3ヶ月 |
| スクール LMS 統合 | 認定校・受講生・ディプロマ進捗を1つに | 中 | 3〜4ヶ月 |
確定ではなくスキャン結果。最終はみなさんのご意見と現場をみてから。
| レイヤー | 候補 | 役割 |
|---|---|---|
| 背骨(EC + POS) | Shopify (Markets + Translate&Adapt + POS Pro) または スマレジ + 既存EC | 3言語×サブスク×多店舗を1IDで束ねる |
| サブスク管理 | Shopify Subscriptions / Recharge | セゾニエ・10年ブーケのスキップ/解約抑止 |
| 翻訳・多言語 | DeepL API Pro + Weglot | 用語をブランド辞書で固定 → 校正は人 |
| 顧客対応AI | チャネルトーク AI ALF (国内) + Intercom Fin (海外) | 一次回答自動化、人が判断すべきは人へ |
| SNS / コンテンツ | Later + Canva Magic + Adobe Firefly + Claude/GPT | 3言語SNSの量産、ブランドボイス保持 |
| 配送 | Uber Direct + PickGo (即配) / ヤマトクール便 (教材便) | 都心と全国を分業 |
| スクール70校 | Coorum + Lekcha + Teachable/Thinkific | コミュニティ・予約・講座を分業 |
| ブライダル装飾 | Details Flowers または Curate | 見積/粗利の可視化(チームのみ部分導入) |
| 需要予測 | Shopify Stocky → 主力10SKUからPoC | 大型SaaSは即導入しない |
× 不採用: Floranext / FloristWare / Hootsuite (北米偏重・オーバースペック)。商品写真をMidjourneyで生成するのも非推奨。
| Phase | 期間 | 場所 | 主にやること |
|---|---|---|---|
| Phase 0 | Day 1–7 | 両店 + 谷口さん | 仕込み: 自己紹介、合意形成(役職名/聖域/指標/順序)、両店全員に1on1予告 |
| Phase 1 | Day 8–30 | 青山 Pilot | ヒアリング集中、Internal Champion 1名発掘、SNS/ブライダル制作時間のQuick Win、note週報AIの並行PoC |
| Phase 2 | Day 31–60 | 芦屋 連動 | 芦屋ヒアリング、芦屋 Champion 1名発掘(ベテラン優先)、Quick Winを"翻訳"して提案、ベテランの誇りに光を当てる |
| Phase 3 | Day 61–90 | 統合 | 両店の運用を統一プラットフォームに、Champion 2名で隔週相互訪問、月次レビュー、認定校70校への展開準備 |
原則: 芦屋本店を実証実験のラボにしない。Pilot は青山。結果は芦屋に都度共有して、疎外感を作らない。両店の文化を欠陥ではなく 資産 として扱う。
| 週 | 主にやること | 成果物 |
|---|---|---|
| Week 1 Phase 0 |
両店スタッフへの自己紹介("花以外を引き受ける人" として)、谷口さんと合意形成、全員に1on1予告、ROI指標の設定 | 合意メモ署名/指標定義 v1 |
| Week 2 Phase 1始動 |
青山ヒアリング集中、青山 Internal Champion 候補リサーチ、note週報AIの並行PoCを動かす | 青山業務マップ v1/PoC v1 |
| Week 3 Phase 1継続 |
青山のQuick Win候補を1本に絞り、Champion候補とプロトタイプ。芦屋スタッフへ定例情報共有(疎外感対策) | Quick Win プロトタイプ |
| Week 4 Phase 1終盤 |
Quick Win 稼働開始、谷口さんと月次レビュー、Phase 2(芦屋連動)の準備 | 30日レポート + Phase 2計画 |
原則: 1度に1つ。動くものを早く出す。嫌だと感じたら止める。
これから、よろしくお願いします。
— 和田より、谷口さんとアイロニーのみなさまへ