私は、あえて名刺を作っていません。
私の仕事は、誰かの アシスタント として機能すること。
誰か、何かの 一部になる ことが、私の仕事だと思っています。
何者でもない。
逆に、何ものにでもなれる。
そう考えているため、名刺を作っていません。
私はアイロニーの人ではありません。
だから私は、皆さんを "動かそう" とはしません。
私が目指すのは、皆さんが "動きたくなる" 環境を整えること。
動かすことはできなくても、心を動かすことはできる。
それが、このプロジェクトを始める前から、私が考えていたことです。
私が自分に貼っておきたい、最初の一文。
むずかしい話ではありません。人が前向きに動けるとき、心の中ではこの3つがそろっています。
私がやりたいのは、この3つを 壊さない こと。ただそれだけです。
「言われたから」ではなく、「自分でやろう」と思えていること。
新しい道具も、押し付けではなく、皆さんが 「これ、使ってみたい」 と思えるものにしたいです。
「これなら、私にもできる」 という小さな手応えがあること。
新しい道具は、皆さんの代わりに働くものではなく、皆さんの腕が もっと光るため にあるものです。
「自分はこの場所の仲間だ」 と思えていること。
新しい人や仕組みが入っても、皆さんの 居場所はなくならない。それを最初に約束したいと思っています。
「外部の人が来て、私たちを 変える つもり」
— その響きこそが、抵抗の本当の原因だと考えています。
私は皆さんが間違っているとは思っていません。
20年の積み重ねを、次の20年へ受け渡す ためにここにいます。
だから私は、自分の語彙を最初に作り直します。
| 使わない言葉 | 使う言葉 |
|---|---|
| 変える | 守る・強める・拡張する |
| 改革する | 引き継ぐ・整える |
| 効率化する | 花の時間に返す |
| DX担当 | 肩書きは、持たない |
この約束を破ったら、その場で指摘してください。私自身が気付かない自己酩酊から、皆さんに守っていただきたい。
何をやるかと同じくらい、何をやらないかが、私の姿勢を決めると思っています。
"改革者" という物語に、私が一番酔いやすい人間だと自覚しています。
私が「心を動かしたい」と力んだ瞬間、私は皆さんから見て
うっとうしい外部の人 になる。
— だから自分に、こんなメモを貼っておきます。
谷口さんが私を招いてくださった事実が、
私の最大の 信頼の前借り です。
だからこそ、その信頼に甘えてはいけない、と思っています。
"DX担当" は、外側の言葉です。
ここでは、しっくり馴染みません。
私は、ひとつの肩書きを背負うつもりはありません。
皆さんのお話に耳を傾けて、皆さんの立場から見える景色を忘れずに、
その時々で必要なかたちになって、お役に立てればと思っています。
アイロニーの皆さんと、ご一緒にお仕事ができること —
それだけで、私は 心から光栄 に思っています。
いつか、私がここを去る日に。
「一緒に働けて、よかった」
そう思っていただけるよう、毎日を、精いっぱい重ねてまいります。
心を動かすのは、私の仕事ではなく、皆さん自身が動く瞬間に起こることだと思っています。
私は、それを邪魔しないこと、それを引き出す道具を整えることに、徹します。
それ以外(受発注、梱包伝票、SNS下書き、認定校連絡、多言語問合せ、撮影、議事録、経理…)に取られている時間は、AIと自動化に 少しずつ返してもらう。
花への審美眼・束ね方・色気の判断は、人間にしかできない。だからこそ、それ以外の時間を取り戻す価値がある。
今まで通りのアイロニーを愛し、アイロニーを愛している人々が描くアイロニーを、そのままに 残したい。
お客様と最後に接する場所 — メールを送るボタンや、メッセージを添える瞬間 — そこは 必ず人間が、目で見て、手で押します。
水際まで は AI が働く。水際の先 は、人間が心を込めてお届けする。お客様から見たアイロニーは、今まで通り。
人は、AI に自動化されたものを「良いもの」とは感じません。それは効率化であって、心ではないから。
だから全自動にはしません。あくまで、人と AI の ハイブリッド で考えます。
「ハイブリッド」とは言いつつも、ここだけは AI が触れない、と約束したい場所があります。
ブランドの背骨そのもの。何を大切にし、何をやらないか — その判断は、いつも人間の手の中に。
花を束ねる、その一瞬の判断。配色も、間合いも、力加減も — フローリストの手と目の中にだけある領域です。
アイロニーがどこへ向かうか、その温度を決めるのは、いつも人間の側であってほしい。AI は道具として、その隣にいるだけ。